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EUにおける出入国システムの最新情報
2025年8月12日
欧州連合(EU)の出入国システム(EES)は、2025年10月12日に導入される予定です。
この新たな国境管理システムは、6ヶ月間の段階的な導入を経て、2026年4月10日から運用開始されます。
新しい生体認証システムの導入は、欧州連合(EU)加盟国以外の国から欧州へ旅行する旅行者に影響を及ぼします。これは、EU加盟国以外の訪問者(短期滞在ビザ保持者を含む)の登録に関するもう一つの措置です。
出入国システム(EES: Entry/Exit System)とは?
EESは、パスポートのスタンプを自動化されたデジタル登録システムに置き換えるものです。これは、デジタル写真や指紋などの生体認証データを収集する新しいシステムで、以下のリストの国境を越える際における各旅行者の入国、出国、および入国拒否を電子的に登録します。
A-F: Austria, Belgium, Bulgaria, Croatia, Czech Republic, Denmark, Estonia, Finland, France
G-L: Germany, Greece, Hungary, Iceland, Italy, Latvia, Liechtenstein, Lithuania, Luxembourg
M-S: Malta, Netherland, Norway, Poland, Portugal, Romania, Slovakia, Slovenia, Spain, Sweden, Switzerland
詳細については、EU's EES websiteからご確認ください。
上記の国々は、シェンゲン領域の一部です。シェンゲン領域は、欧州の広範な地域で、加盟国間を国境検査を受けずに自由に移動できる区域です。外部国境とは、シェンゲン領域内の国と、シェンゲン領域外の国(例えばアメリカ大陸、アジア太平洋地域、アフリカ、アラブ首長国連邦、またはシェンゲン領域に属さないイギリスやアイルランドのような欧州の国々との間の移動に関連するものです。
EESは誰に適用されますか?
EESは上記の国々から入国していない非EU国籍者、つまり以下のいずれかの条件に該当する人々に適用されます:
- 短期滞在ビザの保持者
- ビザ免除の旅行者であり、90/180日ルールに該当する場合
※この90日間の期間は、EESを使用するすべてのヨーロッパの国に対して単一の期間として計算されます。
EESが適用されないのは誰ですか?
EESが適用されない例としては以下のものがあります:
- EESを使用するヨーロッパ諸国の国民、またキプロスおよびアイルランドの国民
- EU国籍者の近親者であり、居住カードを持つ非EU国籍者
- 長期滞在ビザの保有者や居住許可証を持つ人々
- 国境検査から免除された者や特権を持つ者(例:国家元首)
その他の免除対象者はこちらから。
国境管理所で要求されること
制度開始後の最初の旅行
個人情報を提供することが求められます。パスポート管理官はあなたの指紋をスキャンし、顔写真を撮影して保存します。現在のシステムとは異なり、パスポートにスタンプを押す必要がないため、書類にはスタンプが見られません。
旅行先または出発地の国が対応している場合、空港のセルフサービスシステムやモバイルアプリを通じて事前に情報を登録することができます。
2回目からの渡航
指紋と写真がすでに記録されているため、パスポート管理官はシステムにある情報を確認します。生体認証パスポートを持っている方は、空港にセルフサービスシステムがある場合、さらに早く入国することができます。
どのようなデータが収集されますか?
EESは以下の情報を収集します:
- 旅行書類に記載されているデータ(例:氏名、生年月日など)
- 各入国および出国のデータと場所
- 顔画像と指紋
- 入国拒否の記録
より詳しい情報はこちらから
なぜEESが導入されるのか
入出国管理システム(EES)は、EU、欧州委員会、欧州議会によって導入される様々な施策の一環であり、旅行体験の近代化と国境を越えた犯罪の削減を目的としています。EESは以下を実現します:
- 入国、出国、および入国拒否に関する信頼性の高いデータを提供し、180日間のうち90日を超えて滞在している旅行者を識別
- 生体認証データを収集することで、身元詐称の防止に貢献
- 改善された国境検査と電子記録の利用により、セキュリティを強化
- 国境当局がより正確な情報を持てるように、リアルタイムでの情報共有を促進
- 情報が事前に記録することで手動でのスタンプ押印が減少し、国境管理における待ち時間を短縮
より詳しい情報はEU's EES websiteよりご確認ください